2021年1月に実施した2020年度食用油の原材料に関する公開質問に食用油メーカー7社よりご回答いただきましたのでご報告いたします。
【各社への質問】
質問①製品原材料の種類と原産国、遺伝子組み換えの状況について
質問② 産地農場から輸出港、輸入港、貴社製造工場までの原材料の管理・輸送方法について
質問③ 遺伝子組み換えの原材料を使用している製品に関して、今後、遺伝子組み換えでないものに変更する予定の有無と、その理由について質問② 産地農場から輸出港、輸入港、貴社製造工場までの原材料の管理・輸送方法について
質問④ 現在、食用油については遺伝子組み換えに関する表示義務はありません。今後、検出精度の向上によりDNAの検出が可能になった場合、商品本体に表示を行う予定はありますか。
質問⑤ 消費者のなかには、遺伝子組み換えでない原材料を求める声もあります。今後、遺伝子組み換えでない原材料の製品を供給するためには、どのような課題があるとお考えですか。
質問⑥ ゲノム編集由来の原材料が入手できるようになった場合、使用しますか。
質問⑦ ゲノム編集由来の原材料を使用する場合、表示をされますか。
【回答まとめ】
2016年度、2017年度に続き3回目の公開質問となりました。大手5社及び非遺伝子組み換え原料を使用している2社にご協力いただき、現状と今後の方向性についてお聞きしました。調査先はボーソー油脂株式会社、日清オイリオグループ株式会社、株式会社J−オイルミルズ、昭和産業株式会社、理研農産加工株式会社、平田産業有限会社、米澤製油株式会社です。
食用油の原材料及び原材料の原産国、遺伝子組み換えか否か、ゲノム編集由来原材料の使用の予定と表示について聞きました。
大手5社は1997年より遺伝子組み換え原材料を使用しており、非遺伝子組み換え原材料に戻す予定は無いと回答し、理由は原材料の安定調達と製品の安定供給のためとしています。ゲノム編集由来原材料の使用については、現時点で使用する予定は無いが方針は決めていない、引き続き、安全性や届け出状況等を注視していくと回答されています。ゲノム編集の表示については関連法令に基づいて対応するということです。
非遺伝子組み換え原材料を使用している平田産業有限会社及び米澤製油株式会社は国産ナタネ及びオーストラリア産のナタネを産地ごとに分別流通管理し輸入しており、今後も非遺伝子組み換え原材料を使用していくと回答されています。心配な状況変化としては、これまで州として遺伝子組み換えの栽培を禁止していた南オーストラリア州で2020年に法改正が行われ遺伝子組み換え作物の栽培が解禁されたため、今後、非遺伝子組み換え原材料の確保が大きな課題になるとのことです。ゲノム編集由来の原材料を使用する予定は無いと回答されています。
詳細は回答結果一覧表及び各社回答書をご覧ください。
以上