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「種苗法の一部を改正する法律案」は2020年11月19日衆議院本会議、12月2日参議院本会議で可決されました。


 改正案では、グローバル化が進む中で種苗法が本来の役割を果たせるように、登録品種の扱いが厳格化されました。育成者には品種の登録時に国内利用や地域内(都道府県)での利用に限定する等の条件を明確にし、表示が義務付けられます。登録品種を生産、増殖、販売などの目的で自家採種・自家増殖しようとする農業者は育成者と許諾契約し、必要に応じ許諾料を支払うことによって「利用者権」が得られ、自家採種や自家増殖が可能となります。その場合、利用者には育成者の示した利用条件を守ることが義務付けられます。なお、登録品種の利用であっても、自家消費を目的とする家庭菜園や研究用での自家採種・自家増殖の場合、許諾は必要ありません。

 

 衆議院の附帯決議には育成者権の強化が農業者による登録品種の利用に支障をきたし、農産物の生産を停滞させ食料の安定供給を脅かすことがないよう、種苗が適正価格で安定的に供給されるよう施策を講じること。稲、麦類及び大豆の種苗については、農業者が円滑に入手し利用できることが我が国の食料安全保障上重要であるとし、都道府県と連携してその安定供給を確保するための財源の確保等、施策を講じることが明記されました。参議院附帯決議では衆議院附帯決議10項目に加え、国立研究開発法人農研構種苗管理センターのDNA分析等の技術開発の促進や人員体制の拡充と税関等の水際対策強化と海外での品種登録を支援し推進することが明記され12項目が決議されました。

 

 種苗法は、登録新品種の権利を一定期間に限って保護し、新品種の開発を社会的に評価するとともに優良な新品種の開発意欲と利用普及を促し、持続可能な農業を支えるものです。通常、膨大な時間と労力、それに見合う対価がかかる新品種の開発現場を支えるしくみですが、誰にもわかりやすく利用しやすい制度設計と運用が重要です。

 附帯決議に盛り込まれなかった、在来種など重要な遺伝資源の維持支援に向けた新たな法整備やゲノム編集を利用した登録品種の情報開示と表示の義務化などは重要な課題と考えます。

以上

 

参考記事

報告「種苗法改正について考える」

4/12 種苗法改正案についての意見を提出しました。

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