昨年行ったビールメーカー大手4社への公開質問では、ビール及び発泡酒等の原材料の「コーン・スターチ」については、非遺伝子組み換えトウモロコシを継続して使用していることがわかりましたが、「糖類」の原料になるトウモロコシについては、2015年から「遺伝子組み換え不分別」のものに、切り替えられていることがわかりました。これは、ビールには遺伝子組み換え作物が使われていないが、発泡酒には使われていることを意味しています。
2016年7月4日付けで公開質問状をビールメーカーへ送付、7月20日までに全社より回答がありました。調査結果は、コーン・スターチについては4社とも、非遺伝子組み換えトウモロコシを使用しています。糖類については「遺伝子組み換え不分別」の原材料を使用しています。理由は長期的に安定して原料を調達するためというものです。遺伝子組み換え作物を使わない発泡酒に戻す可能性についても聞いたところ、非遺伝子組み換えの原材料が安定して調達できる環境が整った場合、また世界的な穀物生産の動向によって改めて検討するとの答えが返ってきました。
「日本における非遺伝子組み換え(NON-GM)とうもろこしの需要について」(https://nongmseed.jp/?p=980)でも、記載した通り、非遺伝子組み換えトウモロコシの需要におけるビール会社の利用実績は大きな意味を持っていました。そのような状況において、糖類の遺伝子組み換え不分別原料への切り替えは、他の加工食品メーカーの原料調達にも大きな影響を及ぼしていると考えられます。ますます消費者は非遺伝子組み換え原材料を使用した食品作りを支持し、購入することが求められています。そのための食品表示も重要です。
※遺伝子組み換え不分別とは、遺伝子組み換え農産物と遺伝子組み換えでない農産物を分別せずに使っていることです。
ビールメーカー遺伝子組み換え作物の使用に関する調査結果(2016年)
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この企画は地球環境基金の助成を受けて実施しました。