現行の食品表示制度では、食用油は遺伝子組み換え原材料を使っていたとしても、表示は義務化されていません。そのため、店で商品を手に取ったとき、遺伝子組み換えでないものを選ぼうとしても、選ぶことができません。そこで、2016年11月15日、食用油メーカー7社へ遺伝子組み換え原材料に関する質問状を送付、11月30日までに全社より回答がありました。
*質問内容についてはこちらをご覧ください「食用油メーカー7社へ遺伝子組み換え原材料に関する質問状を送りました」
調査結果は、遺伝子組み換えではない原材料のみを使用していると公表している2社(米澤製油株式会社・平田産業有限会社)を除き、調査した5社全てで1997年から遺伝子組み換え不分別の原材料が使用されていました。現在、日本では、なたね、トウモロコシ、大豆等、食用油の原材料の多くを、アメリカ、カナダ、オーストラリアを中心とした海外からの輸入に頼っています。遺伝子組み換え不分別のなたね、トウモロコシ、大豆等は、貨物船やトラックでも「ばら積み」で輸送されており、こぼれ種等による港湾や道路周辺の環境への影響も気になります。
また、調査結果からは、遺伝子組み換えでない原材料を使用した食用油は、消費者の声を受けた数少ないこだわりの製品となっている現状も改めて浮き彫りになりました。遺伝子組み換え作物が世界市場に登場して日本で認可されて以来、私たちが日常的にさまざまな料理に使用している食用油にも、遺伝子組み換え不分別の原材料が少なからず使用されてきたということです。遺伝子組み換えの問題についてはさまざまな意見がありますが、消費者がひろく情報を得て、選択できる表示が望まれます。
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この企画は地球環境基金の助成を受けて実施しました。