この日は朝から気温が上昇する気配のなか、遺伝子組み換えや漬物に関心の高い方々が集いました。
遺伝子組み換え食品、作物の調味料や添加物の現状を学習。今や料理用語の「うま味」は科学的に合成され、工業化し世界に流通されている。世界中の「味覚」が統一してしまうのだろうか・・・「ヒト」がもつ「味覚」は大切に継承していかなければと考える学習でした。
石川さんの指導でぬか床作りからはじまりです。
念のためクッキング用の手袋を用意しましたが誰も使用せず、素手で糠をこねました、さすがと思う場面でした。また、一部糠虫が発生していましたが、あわてず、おそれず母の知恵かふるいにかけて糠を使用、食生活の継承を実感した喜ばしいひと時でした。
因みに糠は当団体共同代表の高橋広一が育てた在来種米「さわの花」の糠を使用。
田んぼは気温を2℃下げます、地球温暖化防止に最大に貢献しています、有り難いです。
化学肥料や除草剤に汚染されないおいしい糠でした。「糠、水、塩だけで作るぬか床は食文化の原点であり先人たちの知恵の結晶」のように思いました。
冷凍冷蔵技術がない時代の食生活は「ヒト」がもつ「五感」をフルに生かし自然に感謝し共存して生かされている事を教えてくれました。
【目からウロコの話!】
ぬか漬けは漬ける時間で美味しさが違うこと、知っていましたか?
「つけ方」のなかに、素材によって6~24時間のひらきがありました。
何故?と思い実践してみました。きゅうりを朝10時頃漬けて夕食に取り出しました。「美味しい!」糠味噌止めてウン十年、無知なことが美味しさを激減したのだと悟りました。
翌日、つい忘れ24時間後「あっ!」塩分だけがしゃしゃり出ていました。これが「毎日まぜていなければダメにしてしまう」理由の一つではないかと。
【アンケート】でも、当日の感想をいくつかいただきました。以下、一部を抜粋して紹介させていただきます。
なお、この企画は、独立行政法人 環境再生保全機構「地球環境基金」の助成をいただいて、実施いたしました。
*アンケートの声*
■ぬか床は、以前、自己流でやっていたことがあります。今回は、専門の漬物屋さんから、きちんとしたやり方を教わることができて、すごく勉強になりました。また、細かい疑問点にも、とても丁寧に答えていただいたので、私も、自宅でいろいろ試してみたいと思います。魚のぬか漬けやぬか床を使った煮込み料理等、紹介していただいたアレンジレシピもすごく良かったです。(30代・女性)
■作ったぬか床を自宅に持ち帰れるので、家であれこれと楽しめそうです。夏野菜のおいしい季節で、タイムリーな企画でした。(20代・男性)
■ずっと気になりながらも、難しそうで敷居が高かったぬか漬け作りでした。遺伝子組み換えナタネ調査隊の隊長でもある漬物屋さんから直々に指南いただき、またこだわりの米ぬかやこだわりの塩で実際にぬか床を作ることができて、本当に感謝しています。講義の時間には、遺伝子組み換えナタネの自生という問題だけでなく、身近なメーカー調味料の原料の遺伝子組み換えという驚きの事実も知り、ためになりました。食の安全にも、これまで以上に気を配りつつ、家庭でもおいしい日本の伝統食などをなるべく食卓に出せるように、心掛けていきたいと思います。(40代・女性)
■「たねと食とひと」の共同代表をされている生産者の方から、米ぬかまで分けていただいたという在来種のお米「さわのはな」の炊き立てご飯、講師の方が準備してくださった夏野菜や魚(さば)のぬか漬け料理、そしてスタッフの皆さまのお心尽くしの手料理や梅ジュース、どれもとてもおいしくいただきました。ランチタイムの交流も楽しかったです。本当にありがとうございました。(40代・女性)
■ぬか漬けのやり方以外にも、学ぶことが本当に多くて、貴重な機会でした。海外から輸入された遺伝子組み換えナタネが、港からメーカーの工場までの道沿いに自生してしまっているという実態を初めてお聞きして、びっくりしました。かけがえのない「たね」のことを、もっと考えていかなければいけませんね。お話をお聞きしながら、今では「日本の美しい原風景」ともいえそうな、菜の花畑と田んぼが広がっていた実家の景色を思い出しました。TPP論議等、食のグローバル化傾向が進む中ですが、何とかして守れるものが、少しでも増えていって欲しいと思います。個人的には、古来種の野菜等を時々取り寄せています。今日のようなお話を、まわりの人にも紹介していきたいと思います。(30代・女性)
■少人数でしたが、おかげでかえって話がしっかり聞けて、ていねいに教わることができました。参加費もリーゾナブルでした。ありがとうございました。(女性)