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食用油メーカー7社に、気になる原材料について聞きました。

 日本では、菜種、トウモロコシ、大豆など食用油の原料の多くをアメリカ・カナダ・オーストラリアを中心とした輸入に頼っています。遺伝子組み換え作物の世界的な市場拡大に比例し、遺伝子組み換え食品が私たちの食卓に上る機会は増えています。特に表示が義務化されていない食品は気になります。食用油もそのひとつです。また、近年はゲノム編集大豆を使った食用油が海外のレストランで流通しているとの報道もあり、日本ではゲノム編集食品の表示も義務化されていないことから、知らないうちに身近な場所でも使われているのではないかとの不安も高まっています。2023年4月には任意の遺伝子組み換え不使用表示がより厳格化された表示制度が施行されます。メーカーはどのように対応していくのでしょうか。消費者はどうすればいいのでしょうか。

 そこで、2022年度は業務用の油脂メーカーも含めて食用油大手5社と遺伝子組み換えでない原料を使用している2社に、原材料及び原材料の原産国、遺伝子組み換えか否か、流通管理の方法、トレーサビリティの取り組み、ゲノム編集由来原料の使用予定と表示などについて質問しました。


【各社への質問】
質問① 製品原材料の種類と原産国、遺伝子組み換えの状況について
質問② 産地農場から輸出港、輸入港、貴社製造工場までの原材料の管理・輸送方法について
質問③ 原料トレーサビリティについて
質問④ 遺伝子組み換えの原材料を使用している製品に関して、今後、遺伝子組み換えでないものに変更する予定の有無と、その理由について
質問⑤ 現在、食用油については遺伝子組み換えに関する表示義務はありません。今後、検出精度の向上によりDNAの検出が可能になった場合、商品本体に表示を行う予定はありますか。
質問⑥ 消費者のなかには、遺伝子組み換えでない原材料を求める声もあります。今後、遺伝子組み換えでない原材料の製品を供給するためには、どのような課題があるとお考えですか。
質問➆ ゲノム編集由来の原材料が入手できるようになった場合、使用しますか。
質問⑧ ゲノム編集由来の原材料を使用する場合、表示をされますか。


【回答まとめ】
遺伝子組み換え原料を使用している大手5社は、原料の安定調達、製品の安定供給の観点から遺伝子組み換えでない原料に戻すのは困難との回答でした。ゲノム編集由来原料については、方針を決めている会社はありませんでした。引き続き安全性や届け出状況を注視し、表示については関連法令に基づいて対応すると回答しています。

 遺伝子組み換え原料を使用していない2社は、国産及び分別流通管理したオーストラリア産ナタネを使用しており、今後も遺伝子組み換えでない原料を使用していくと回答がありました。原料の入手状況の変化では、「非遺伝子組み換えであることの担保を取る事が非常に難しくなっている」「昨年度と比べると価格が高騰している」と言及しています。今後の課題としては、「非遺伝子組み換えであることを証明するため、産地から製造に至るまでのコストが大きいこと」「デフレが長期間継続し、価格の安い製品が比較的重宝される環境下で、消費者には当該商品が一般の商品よりある程度高い価格となることを理解・納得いただくこと」を挙げています。ゲノム編集由来原料は使用しない方針です。

 詳細は、回答結果一覧及び各社の回答書をご覧ください。

以上

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