昨年に続き、2019年4月、都道府県担当部局責任者宛てに「主要農作物種子法廃止法施行後の措置に関するアンケートのお願い」を送付し、全ての都道府県から回答をいただきました。今年は2回目の実施となります。主要農作物種子法廃止法施行後1年が経過し、9末現在13の道府県で種子生産条例の施行または県議会で可決されました。今後、制定を予定している自治体があるとの報道があります。各都道府県がこれまで主要農作物種子法のもとで担っていた役割が後退することのないよう、どのような措置がとられているのか注視し続けたいと思います。
調査結果については、2019年6月29日総会記念企画で公表し、久野秀二京都大学教授よりコメントをいただきましたので要旨を掲載します。
久野秀二京都大学教授コメント
各行政の予算については、それぞれ項目等の違いもあるので、行政どうしを比べる必要はない。また、年度によって設備投資などの有無により大きく変わる場合もあるので、数字の結果だけで判断してはならない。継続して変化を追うとよい。
各地で条例づくりがすすんでいることは、世論の反応によるものでもあり評価すべきである。ただし、条例や要領がないから何も取り組んでいないという訳でもないはずである。条例の位置づけについて学習し、予想に反する調査結果だった場合、その自治体に追加調査できるとよい。
「たねと食とひと@フォーラム」という団体名に沿って、幅ひろく視野をもって活動してもらいたい。特に人権の視点が重要である。ブラジルやモザンビークなどで問題となっている企業による人権侵害にも関心を持つべきである。人権は「政治的・市民的」なものと「社会的・経済的・文化的」のものに分けられ、「政治的・市民的」権利を中心にすすめられてきた経緯があるが、どちらも基本的人権である。特に経済的分野は憲法25条にあるものの、あまり取り上げられてこなかった。食・水・土地・住居・教育・医療などに関する権利について、きちんと議論し、政策でカバーしていかなければならない。
以上
※都道府県アンケート集計データを使用される場合は、たねと食とひと@フォーラム事務局までご連絡ください。 Email info@nongmseed.jp 電話 03-6869-7206 FAX 03-6869-7204