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 2019年11月19日、農林水産省食料産業局食品製造課基準認証室宛てに「有機農産物の日本農林規格等の一部改正案」について、意見・質問を提出しました。

 この改正案では「有機農産物、有機加工食品、有機飼料及び有機畜産物の日本農林規格(JAS規格)について、現在の製造・流通の実情等を踏ま え、組換えDNA技術を用いて生産されたものが、原材料等において使用できないことに加 え、ゲノム編集技術を用いて生産されたものについても、原材料等において使用できないこ とを明確にする改正を行う。 」と書かれています。

 しかし、カルタヘナ法、食品衛生法、飼料安全法及び食品表示法において、ゲノム編集とされたものについては規制の対象外(開発者等による情報の届け出義務なし、安全性審査なし、食品表示の義務なし)としました。このような状況の下、どのように規制するのか具体策が提示されていません。当会ではその疑問について意見質問をしました。


有機JAS規格一部改正案

有機JAS一部改正パブコメ募集要項

有機JAS一部改正へのたねと食とひと@フォーラム意見・質問

 カルタヘナ法及び食品衛生法、飼料安全法、食品表示法では、ゲノム編集作物・食品の一部が規制、表示義務の対象外となっています。検討の際に遺伝子組み換えとゲノム編集の違いを、外来遺伝子が残るか否かで、規制の対象か対象外かを決めました。しかし、遺伝子を操作・改変するという意味では同じです。痕跡が残らないから安全だとは言えません。ゲノム編集ではどのような危険な改変が行われたとしても、痕跡が残らないため、発見することは困難です。開発者等の届け出による情報のみが頼りとなります。その開発者等の力量やモラルも様々だと思われます。

 そのような状況下において有機JAS規格でゲノム編集を禁止するためには、国による明確な方策の提示が必要です。2001年4月の有機JAS制度の開始にあたっても、遺伝子組換え表示制度の開始と同時でした。現実味のある規格とするためには、関連する制度の速やかな整備が不可欠です。

 この改正が有機農産物の生産者に負担を強いて、今後、国内の有機農産物生産者が減少し、国産の有機農産物が無くなってしまうというような改悪とならないことが重要です。

 ゲノム編集技術は遺伝子組み換え技術の次世代版として登場してきた新しいバイオテクノロジーです。技術としてはまだ初期の段階で、今後予想される多重改変等も含めて評価は定まっていません。

 現在、人類史上これまで経験のないこの遺伝子改変技術の応用をめぐって、国内外での議論が続いています。日本でも、暮らしを取り巻く環境や日々の食卓に関わる農産物・動物の分野では、多くの市民が懸念の声を上げています。

 日本の有機JAS制度への国内外からの信用・信頼を維持するためには、技術の進歩によりあいまいになってしまった除外項目・使用禁止項目のひとつ「組換えDNA技術」を「遺伝子操作技術」に変更し、これまでの「組換えDNA技術」応用作物・食品だけでなく、ゲノム編集技術応用作物・食品の使用も認めないことを明確にする必要があります。

 「ゲノム編集技術を用いて生産されたものについても、原材料等において使用できないことを明確にする」という改正案について、以下の点について明確にすることが前提になると思われます。下記質問にご回答ください。

【質問】

1.ゲノム編集種子及び資材等の開発者、企業に対して、情報の届け出を義務化し正確な情報を管理する必要があると思われますが、義務化を考えていますか。義務化を考えていない場合、正確な情報を担保する方策を具体的にお示しください。

2.ゲノム編集作物・食品のトレーサビリティを保障する制度の確立について、具体的な方向性をお示しください。

3.飼料安全法におけるゲノム編集飼料は安全性審査の対象外となりましたが、どのように整合性をつけるのか具体的にお示しください。

4.飼料安全法におけるゲノム編集飼料は義務表示の対象外となりましたが、どのように整合性をつけるのか具体的にお示しください。

5.カルタヘナ法、食品衛生法、食品表示法におけるゲノム編集作物・食品は規制の対象がとなりましたが、環境影響評価、食品安全性審査、食品表示について、関連する省庁との連携、法制度的な整合性をどのようにつけるのか具体的にお示しください。

6.ゲノム編集か否かを判別するには分析する必要がありますが、国による分析方法についてどのような準備をされるのか具体的にお示しください。

7.改正時に、ゲノム編集種子、資材の混入から有機農産物生産者を救済するための制度を作る必要がありますが、どのような準備をされるのか具体的な方向性をお示しください。

8.改正時に、有機JASにおける除外項目・使用禁止項目のひとつ「組換えDNA技術」を「遺伝子操作技術」に変更し、国際ルールとの整合性をつける必要があると思われますが改定の有無とその理由をお示しください。

 国際的な取り決めであるコーデックスのガイドラインでは、「遺伝子操作/遺伝子組換え生物」を、「遺伝子操作/遺伝子組換え生物、また、それらに由来する製品は、交配又は自然な組換えによって自然に生じることのない方法で遺伝物質を変化させる技術を用いて生産される」、「遺伝子操作技術/遺伝子組換え技術(技法)」を「組換えDNA、細胞融合、ミクロインジェクション、マクロインジェクション、被包化、遺伝子欠失、遺伝子の倍加等が含まれる。遺伝子組換え生物には、接合、形質導入及び交雑等の技術に由来する生物は含まれない」と暫定的に規定しており、「組換えDNA技術」応用作物・食品と同様にゲノム編集技術応用作物・食品の使用も認められないことになっています。有機認証については、他国の制度を自国の制度と同等と認め、相手国の有機認証品を自国の有機認証品として取り扱う有機認証制度の相互承認が国家間で取決められていることにも、十分な配慮が必要です。

以上

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