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 7月24日、農水省「農林水産分野におけるゲノム編集技術の利用により得られた生物の情報提供等に関する具体的な手続について(骨子)(案)」についての意見・情報への意見を提出しました。

農水省ゲノム編集パブコメへのたねと食とひと@フォーラム意見

農水省パブリックコメント募集ページ


 大前提として、カルタヘナ法にゲノム編集の定義を書き込むよう農水省から環境省に申し入れるべきです。既存の法律に当てはまるかどうかではなく、法的根拠を明確にしておく必要があります。

 生物多様性条約の下、結ばれたカルタヘナ議定書では、リオ宣言第15原則の環境を保護するための予防的方法を確認し、現代のバイオテクノロジーにより改変された生物が環境や生態系へ悪影響を及ぼす可能性があるため予防的措置を執ることとされています。カルタヘナ法は議定書の適格かつ円滑な実施を確保することです。今後も個々の技術では追いつかない事態が想定されるため、包括的に遺伝子操作技術を規制できる法制度が必要と考えます。

【意見1】 一般的な使用の場合(開放系での利用)及び拡散防止措置を執って使用等をする場合(閉鎖系での利用)において、ゲノム編集技術の利用により得られた生物等の使用について、使用者に対し、全ての情報提供を義務付けてください。

【意見2】 国は使用者より提供された情報をすみやかに公開してください。

【意見3】 国の責任において、生物多様性に影響を及ぼす可能性がある場合の拡散防止措置を取り、問題が起きた場合にはすみやかにその情報を公開してください。

【理由】 遺伝子組み換えとゲノム編集は、遺伝子を操作していることに変わりありません。遺伝子を人為的に編集するには規制が必要と考えます。ゲノム編集生物が生態系に及ぼす影響は未知数で、現時点で計ることはできません。未来への責任を考えるなら、予防原則に基づいた措置が必要です。欧州やニュージーランドでは、ゲノム編集生物を規制の対象に含める判断を示しています。制度の国際的調和も欠かせません。もっとも厳しい規制を課している国ともトラブルが起きないようにするには、日本においても諸外国に対応した規制が必要です。

 開放系での使用について、今日、理科実験室でもDIYゲノムを作ることができると言われています。野放しになっては、人を含む生態系の現在から将来にわたる安全性、いまだ評価軸の定まっていない生物多様性、社会的影響等に対して無責任で全く管理不十分です。開放系での使用には、情報提供の義務化をはじめ、より厳しい規制が必要と考えます。

 閉鎖系での使用について、災害の多い日本では、隔離された田畑や生けすであっても何が起きるかわかりません。これまで、京都大学で遺伝子組み換えマウスが逃げだし行方不明になった事故や神戸大学ほか複数の大学で遺伝子組み換え大腸菌やウイルスを不活性化せずに下水に流してしまった等、カルタヘナ法違反の事故が繰り返し起こされています。

 自然環境への影響、食の安全、食品表示のあり方を考えれば、遺伝子操作したゲノム編集により得られた生物等、全ての育種に関して情報提供を義務付け、開放系、閉鎖系の実験・栽培に対応した拡散防止策が十分かどうか審査する等の規制を行う必要があります。確実な安全性や生態系への影響が解明されるまでの慎重な議論、新たな環境影響評価、安全性試験の確立、損害と修復等を考えた厳しい規制が整うまで、全ての情報提供を義務付け、提供された情報を管理し、公開することが必要と考えます。

【意見4】 海外で開発されたゲノム編集技術の利用により得られた生物の情報の提供についても義務付けし、情報を公開してください。

【理由】 骨子案では海外で開発されたゲノム編集技術応用生物等についての情報提供が不明です。海外で開発されたゲノム編集生物等が国内で「食用」「飼料用」「観賞用」「栽培用」以外にも加工用原料として使用されることが考えられます。海外から加工用原料として輸入されるゲノム編集応用生物等についても、国内で製造されるものと同様の情報提供が必要と考えます。

以上

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