9月29日にシンポジウム「ゲノム編集に規制は必要か」を開催いたします。シンポジウムではゲノム編集の農業応用をめぐる異なる立場の代表をお招きし、それぞれの見解を聞きつつ、環境への影響、食品としての安全性、表示の有効性を議論いたします。妥当な規制のあり方をめぐる合理的な論点を、それぞれのテーマで明確化することをめざします。
シンポジウムゲノム編集に規制は必要か ご案内
政府が今年6月にまとめた「統合イノベーション戦略」に基づき、「ゲノム編集」で作られた生物の法的規制についての検討が行われました。昨年、規制の必要を訴える意見書を出した当会にとっては歓迎すべき動きですが、中長期的な生態系の維持を犠牲にした「イノベーション」の推進には注意が必要です。自然環境への影響、食の安全、食品表示のあり方を一つずつ考えていく必要があります。この7月に環境省の専門委員会では、自然環境への影響を規制するカルタヘナ法が定義する「遺伝子組み換え作物」にゲノム編集の産物を加えるか否かについて、実質的な議論が行われず計2回の会合で終了してしまいました。
しかしこの専門委員会には問題があると考えます。はじめから、外部からの核酸導入のないゲノム編集を規制対象外とするという方向性が鮮明になっていました。しかもここに参加しているのはバイオテクノロジー研究者ばかりで、その影響を受ける生産者や消費者の代表はまったく加わっていません。これは広く市民全体の意見を反映した方針を打ち出したものではありません。
たねと食とひと@フォーラムは、バイオテクノロジーの農業応用の完全禁止を求めているわけではありません。ただ。広い層の市民を巻き込んだ社会的議論をふまえて、適切な規制のあり方を考えていくことを訴えています。今回のシンポジウムでは、ゲノム編集の農業応用をめぐる異なる立場の代表をお招きし、それぞれの見解を聞きつつ、環境への影響、食品としての安全性、表示の有効性を議論いたします。妥当な規制のあり方をめぐる合理的な論点を、それぞれのテーマで明確化することをめざします。市民一人一人が当事者であるこの問題に関して、多くの方の参加により取り組んでいきたいと考えています。
【テーマ】ゲノム編集食用作物技術と規制づくりについて
【日時】2018年9月29日(土)13:30~16:30 13:00受付開始
【会場】明治大学リバティタワー1123教室 アクセス
【資料代】一般1,000円 たねと食とひと@フォーラム個人会員800円 学生500円
【主催】たねと食とひと@フォーラム
【申込・問合せ先】たねと食とひと@フォーラム事務局
名前、連絡先、参加人数を記載の上 FAX:03-6869-7204 または Email:info@nongmseed.jp にてお申込みください。
【プログラム】
13:30 開会挨拶
13:35
パネリスト発表
休憩
パネルディスカッション
16:30 終了
【発表内容】(パネリストあいうえお順)
荒木涼子さん/毎日新聞社記者 「日本の社会でゲノム編集作物をめぐる議論(研究開発者(社)、消費者、生産者、国)の現状、かみ合わない議論の要因は何か」
石井哲也さん/北海道大学教授 「遺伝子組換え作物の規制の背景にある根本的な主義、思想はなにか。ゲノム編集はどう扱われるべきか」
菊地富夫さん/生産者・置賜自給圏推進機構 常務理事 「日本の生産者とって、遺伝子組換え作物はほとんど役割はないようにみえるが、ゲノム編集作物なら役割はあるのか、ないのか、その理由は」
宮田満さん/日経BP社特命編集委員 「世界で遺伝子組換え作物の先進国と後進国がなぜ生まれたのか、日本は後者だが、ゲノム編集で挽回可能か」
山本卓さん/広島大学教授 「ゲノム編集と遺伝子組換えの技術的違いと作物育種応用での問題点、カルタヘナ法におけるゲノム編集技術等検討会の方向性について」
吉森 弘子 /たねと食とひと@フォーラム共同代表 「日本の消費者にとって、遺伝子組換え作物はどんな役割を担っているか、ゲノム編集作物の役割はあるのか、ないのか、その理由は」
【パネリストプロフィール】
荒木涼子(あらき すずこ)さん/毎日新聞社記者
筑波大学大学院数理物質科学研究科卒(修士)、平成24年毎日新聞入社、静岡支局を経て29年4月より東京本社科学環境部。再生医療やゲノム編集の研究現場などを取材中
科学技術振興機構、
菊地富夫(きくち とみお)さん/生産者・置賜自給圏推進機構 常務理事
1956年生まれ。農業専門学校卒業後、山形県白鷹町で農業に従事。5ヘクタールの田んぼと1.7ヘクタールのエサ米と和牛45頭の肥育の有畜複合型、百姓を営む。現在、NPO法人白鷹町地域再生ネット 理事。一般社団法人 置賜自給圏推進機構 常務理事
東京大学理学系大学院植物学修士課程修了 、日本経済新聞社入社 、株式会社宮田総研代表取締役 、慶應義塾大学先端生命科学研究所客員教授 、鳥取大学人工染色体センター客員教授 、内閣府総合科学技術・イノベーション会議バイオテクノロジーワーキンググループ委 員
広島大学大学院理学研究科動物学専攻修了。熊本大学理学部助手、広島大学講師を経て2004年より現職、現在に至る。日本ゲノム編集学会会長、日本分子生物学会理事。専門は、ゲノム生物学
吉森 弘子 ( よしもり ひろこ)/たねと食とひと@フォーラム共同代表
岡山県岡山市出身。1981年お茶の水女子大学文教育学部卒業 。2006年6月から2013年6月まで生活協同組合パルシステム東京理事長 。「たねと食とひと@フォーラム」には2013 年12月の設立当初から関わり2016年6月より共同代表
【コーディネーター】
石堂徹生(いしどう てつお)さん 農業・食品ジャーナリスト
1945 年、宮城県生まれ。東北大学農学部卒(家畜育種学教室)。養鶏専門誌編集などを経てフリージャーナリスト。「ムラの欲望(土地改良事業は誰のためか)」(現代書館)、「『食べてはいけない』の基礎知識」(主婦の友社)、「種子が危ない」(週刊エコノミスト2017 年 11 月 14 日号)など
【協 力】希望のエリア東村山/生活協同組合パルシステム神奈川ゆめコープ/生活協同組合パルシステム東京/市民セクター政策機構/生活協同組合パルシステム山梨/生活クラブ生活協同組合青森/横浜北生活クラブ生活協同組合/パルシステム生活協同組合連合会/生活協同組合生活クラブ京都エル・コープ/生活クラブ生活協同組合(滋賀)/生活クラブ事業連合生活協同組合連合会/生活クラブ生活協同組合神奈川/生活協同組合あいコープみやぎ/富士山麓有機農家シードバンク/ワーカーズ・コレクティブ及び非営利・協同支援センター/一般社団法人ワーカーズ・コレクティブぷろぼの工房/生活クラブ生活協同組合・東京/ ※ご協力のお申込みをいただいた順に掲載しています。
★ゲノム編集規制シンポ賛同協力願い このシンポジウム開催への賛同(賛同金無し)及び広報等へご協力いただける団体を募集しています。9/20までにお申込みいただいた団体は当日資料に掲載させていただきます。9/20以降のお申込み団体についてはウェブサイト「Tanet」のみへの掲載となります。ご了承ください。
この企画は地球環境基金の助成を受けて実施します
以上