食品安全センター(CFS)は上院のGMO非ラベル法採決を非難する
2016年7月6日
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アメリカ上院本会議はいわゆるDARK法案を火曜日東部時間午後11すぎ63対30で可決した。法案はこれから下院へ送られるが、CFSはそこでもこの差別的立法に対する戦いを続けていく。
この法律は1億人ものアメリカ人の知る権利を否定するものだ
ワシントン――今日上院は、自分が買う食料製品のうちに何が入っているかを知る権利を、3分の1のアメリカ人から奪うことを票決した。クローチャー※1投票により65対32で採決され、スタベナウ、ロバーツの両上院議員によって提出されたこの差別的で、骨抜きにされた「妥協の産物」であるGMOラベル法案、通称アメリカ人の知る権利を否定する法令(Deny Americans the Right to Know (DARK) Act)は上院を通過した。この「妥協の産物」の法案は、遺伝子組み換え産物(GMO)を含む食料製品についての明快なパッケージ上のラベルの代わりにQRコードや「スマート・ラベル」を使うことを業者に認めるものである。この貧弱に起草された法案は現在および将来のGMO食品の大半からラベリングを取り除くもので、低収入で地方に住むマイノリティや高齢者に対して差別的である。現在書かれているかたちの法案は多くの州の主権の紛れもない侵害である。というのもそれはヴァーモント州、コネティカット州、メーン州、アラスカ州における遺伝子組み換え食品ラベル法を無効にするものでもある。
以下は食品安全センター事務局長のアンドリュー・キンブレルの声明である。
「上院の多くの議員がアメリカの低収入で地方に住む人々や高齢者をあからさまに差別する法案を支持するということは、深く憂慮されることだ。この法案が彼らの知る権利を否定するというのは、実に彼らがスマートフォンを持てない、あるいは使えないためだ。この法案自体が貧弱な仕方で起草されたもので、多くの、おそらくは現行の遺伝子組み換え食品の大部分からラベリングを取り除くものとなっている。それは少数の上院議員と化学・食品の大企業の間で、密室の中で起草されたものだ。これはラベリング法案を装った非ラベリング法案であり、まがい物の立法障害である。」
2016年7月6日Center for Food Safety(食品安全センター)から転載
(翻訳 高澤裕考)
※1クローチャー(cloture) フィリバスター※2を止める手段として、アメリカ連邦議会の上院の5分の3以上の議員(60人以上)が打ち切りに賛成した場合は、1時間以内に演説者は演説をやめなければならないというもの。討議終結動議。
※2フィリバスター(filibuster) 「議事妨害」に同じ。特に、アメリカ連邦議会の上院において、演説を長時間続けて議事進行をさまたげる行為のこと。