醤油及びつゆの原材料について、2018年3月に送付した醤油及びつゆメーカー17社への公開質問に対して、15社より回答がありました。
回答一覧はこちら2017 公開調査結果醤油メーカー回答一覧
各社回答(順不同) キッコーマン株式会社、ヤマサ醤油株式会社、ヒゲタ醤油株式会社、ヒガシマル醤油株式会社、 正田醤油株式会社 、イチビキ株式会社 、ワダカン株式会社 、フンドーキン醤油株式会社、ヤマモリ株式会社 、富士甚醤油株式会社、株式会社サンビシ、株式会社ミツカンホールディングス、ヤマキ株式会社 、株式会社にんべん、株式会社創味食品
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当会では昨年に引き続き、醤油原材料の遺伝子組み換え状況の調査とともに、新たにつゆ類についても調査を行いました。つゆ類は今や国内の消費量が頭打ちになっている醤油の代わりに、各メーカーが力を入れている商品です。素麺や蕎麦、麺類を食べる時、和食を作る時、味を整えなくても済む便利さから多くの家庭で利用され、消費は増加傾向にあります。つゆ類には醤油も多く使われるとあって醤油メーカーから売り出されている他に、調味料メーカー、だしメーカーなどが主につゆの製造・販売を行っています。
今回調査したのは、醤油メーカー13社とつゆ類を作るメーカー4社の計17社 です。そのうち回答があったのは15社で、盛田株式会社(マルキン醤油)及びキノエネ醤油株式会社からは回答がいただけませんでした。
主原料である大豆、脱脂加工大豆は前回調査の結果と同じく、ほとんどが「遺伝子組み換えでない」ものが継続して使用されています。今回の調査で興味深いのは、つゆ類に含まれる添加物・調味料の遺伝子組み換え状況についてです。つゆ類の原材料表示を見たところ、醤油よりも多く添加物・調味料が記載されているのですが、添加物の遺伝子組み換え分別状況は各メーカーによってそれぞれ異なることが分かりました。たとえば、多くのメーカーでは遺伝子組み換え不分別の原料で作られたアルコールや醸造酢などを使用していますが、馬鈴薯や甜菜由来の調味料などでは分別したものを使用しているところもあります。また、そもそも遺伝子組み換え対象外の作物から作られた添加物・調味料を使用しているメーカーもあり、「対象外」と回答するケースも多々ありました。供給元が異なるのでしょうか、メーカーによって、また添加物・調味料の種類によって、遺伝子組み換え分別状況はまちまちです。
とはいえ、ぶどう糖果糖液糖、みりん(糖類)、たん白加水分解物は各社共通して不分別となっています。アンケートでは、遺伝子組み換えでない原材料で作られた添加物・調味料の調達が困難であることが理由に挙げられています。実際、ぶどう糖果糖液糖を含む異性化液糖業界が、遺伝子組み換え不分別原料の使用で統一されているのも、その一例でしょう。このように、醤油とつゆ類の調査結果を概観すると、「添加物における遺伝子組み換え不分別」という問題に気付かされます。
これまで当会が行ってきた数々の食品や同時期に行ったシリアルについても同様の状況が見られました。なぜ添加物が遺伝子組み換え不分別でないと供給維持できない現状にあるのか。そもそも、なぜ添加物を使用する必要が生じてくるのか。向き合うべき課題は多くあります。
以上
(6/7更新)