遺伝子組み換え問題を知る・考えるためのポータルサイト
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遺伝子組み換えの本場アメリカの人々は、日本人と比べ、どのくらい多くの遺伝子組み換え作物を食べているのでしょう。
アメリカの人口約3億2千万人、日本の人口約1億3千万人として計算してみました。

年間1人当たりのGM作物消費量(日米比較)
アメリカ人1人当たりの年間遺伝子組み換え作物消費量(概算)(飼料として間接的に摂取するものも含む)
トウモロコシ400.7kg
大豆140.6kg
綿実6.7kg
菜種3.4kg
計551.4kg

日本人1人当たりの年間遺伝子組み換え作物消費量(概算)(飼料として間接的に摂取するものも含む)
トウモロコシ94.5kg
大豆22.8kg
菜種16.0kg
綿実0.2kg
計133.5kg

アメリカ人は日本人の約4倍の遺伝子組み換え作物を直接・間接に摂取しているという計算結果になりました。

 

遺伝子組み換え作物の最大の用途(約3/4)は家畜飼料ですので、アメリカ人が日本人よりもはるかに多くの肉を食べることを考えれば、驚くに値しない数字といえるでしょう。

では、アメリカ人は日本人の4倍もの肉を食べるのかというと、そこまでではありません。調べてみると、約2.5倍という数字が出ました。
参考:日本人1人当たりの年間肉類供給量29.6kg(出典:食料需給表 平成25年 農林水産省)
アメリカ人1人当たりの年間肉類消費仕向け量(内臓・骨等を取り除いた小売の量) 169.6pounds≒76.9kg(出典:Total red meat and poultry: Supply and disappearance (carcass weight, million pounds) and per capita disappearance (pounds) USDA)

では、どうして4倍なのかというと、やはり、日本と違ってアメリカには遺伝子組み換え食品の表示義務が一切ないためではないでしょうか。
油に表示義務がないのは日本もアメリカも同じですが、日本で表示義務のある豆乳や豆腐などたんぱく質を含む食品も、アメリカでは表示義務がないので、アメリカ人は気づかぬうちに、さまざまな食品から遺伝子組み換え作物を摂取することになるのです。

消費の動向を大きく左右する遺伝伝子組み換え表示。これは、消費者の知る権利と選択の自由を保証する、非常に重要なものです。日本はアメリカよりましであることはたしかですが、それでも表示義務が課されているのは一部の食品に過ぎません。

また、健康も環境も社会も蝕む遺伝子組み換え産業に対抗するには、肉や乳製品などの畜産品の消費を減らすことが大いに有効であることも、改めて心に刻んでおきましょう。

以下に念のため、計算の根拠を書いておきます。

★作物の品目について

日本で主に流通している遺伝子組み換え作物4種類についてのみ調べましたが、アメリカではこのほかにGMテンサイ(砂糖大根)なども流通していますので、アメリカ人が食べる量は、実際には上のデータよりも若干多くなるはずです。しかし、トウモロコシ、大豆、綿実がアメリカにおける3大GM作物であり、その他のGM作物の流通量はそれと比較するとわずかですので、この日米比較においては誤差の範囲と考えてよいでしょう。

★トウモロコシ
☆アメリカの場合
アメリカにおけるトウモロコシ消費仕向け量内訳 2012/13(単位:百万ブッシェル)
Fuel ethanol use(エタノール燃料用)                  4,641
Tatal food, seed, and industrial use(not including ethanol)
(食用、種子用、工業用(エタノールを含まない)       1,397
Feed and residual use(飼料その他の用途)        4,339
Exports (輸出用)                             730
Total corn disappeaence                        11,108
(出典:Corn supply, disappearance, and share of total corn used for ethanol 2012/13
USDA(アメリカ農務省))
※disappeaence”は市場から消失した量で、廃棄分等も含めた、概算の消費量(消費仕向け量)となります。

アメリカで生産されるトウモロコシのうち、輸出に回るのは約14%。またエタノール燃料として利用されるものが約42%と、かなりの部分を占めています。
アメリカ国内で食用として消費されるのは全体の13%と、一見少ないように見えますが、コーン油、その派生品(マーガリンやショートニング)、各種のシロップ・液糖、コーンスターチ、コーンフレーク、などなどありとあらゆる加工食品に利用されています。また、人間の食用の3倍以上もの量が、飼料として利用され、人間は肉を通じて間接的に大量に摂取しています。
アメリカ人1人当たりの消費は、直接食べる食用と間接的に食べる飼料用の両方を合わせて計算しました。トウモロコシの食用のデータには、種子用、工業用(糊などでしょうか)も含まれるようですが、これらは食用と比べるとわずかと思われ、内訳も不明なため、誤差の範囲とみなしました。

トウモロコシ1ブッシェル≒25.4kg
食用、種子用、工業用1,397,000,000
飼料その他     4339,000,000
計         5736,000,000ブッシェル≒1,456,944,000トン
アメリカ人1人当たりのトウモロコシ年間消費量(概算)=455.3kg
アメリカのトウモロコシのGMの割合(2012年)=88%(出典:Genetically engineered (GE) corn varieties by State and United States, 2000-2014 USDA)
アメリカ人1人当たりのGMトウモロコシ年間消費量=約400.7kg

☆日本の場合
とうもろこしの国内消費仕向け量 平成25年 14,469,000トン
(出典:食料需給表 農林水産省)
日本人1人当たりのトウモロコシ年間消費量(概算)111.3kg
日本で消費されるトウモロコシのGMの割合 84.9%(出典:「遺伝子組み換え作物・食品・食品添加物10の話」2015年2月26日 大豆畑トラスト全国交流集会にて天笠啓祐)
日本人1人当たりのGMトウモロコシ年間消費量=94.5kg

★大豆
☆アメリカの場合
アメリカにおける大豆の消費仕向け量(2012/13) 単位:千ブッシェル
Crush(油とミール=加工用)         1,688,903
Seed, feed, residual use(種子、飼料用その他)        90,066
Exports(輸出用)    1,319,556
出典;Soybeans:  Supply, disappearance, and price, U.S., 1980/81-2013/14 USDA
アメリカ人の多くは豆腐や納豆などの大豆製品を食べませんので、アメリカにおける大豆の食用としての最大の用途は油です。トウモロコシでは食用より飼料用が3倍くらい多くなっているのに対し、大豆では加工用(搾油用ともいえます)がずっと多くなっています。しかし、搾油すると、油1:油滓4くらいの割合でミール(油滓)が発生し、その大部分は飼料になるので、結局は大豆も飼料として消費される割合のほうがずっと多いことになります。
大豆1ブッシェル≒27.2kg
加工用  1,688,903,000
飼料用ほか     90,066,000
計    1,778,969,000ブッシェル=4,8387,956.8トン
アメリカ人1人当たりの年間大豆消費量(概算)=151.2kg
アメリカの大豆におけるGMの割合(2012年)=93%(出典:Genetically engineered (GE) soybean varieties by State and United States, 2000-2014 USDA)
アメリカ人1人当たりのGM大豆消費量/年=約140.6kg

☆日本の場合
日本の大豆の国内消費仕向け量 平成25年  3,012,000トン
(出典:食料需給表 農林水産省)
日本人1人当たりの大豆消費量/年 約23.2kg
日本で消費される大豆のGMの割合 81.0%(出典:「遺伝子組み換え作物・食品・食品添加物10の話」2015年2月26日 大豆畑トラスト全国交流集会にて天笠啓祐)
日本人1人当たりのGM大豆年間消費量 約18.8kg

日本が輸入する大豆油滓(平成23年)1,758,334トン
(出典:財務省貿易統計)
上記のうち、GM大豆栽培国アメリカ、ブラジル、パラグアイ、アルゼンチンからの大豆油滓 560,408トン アメリカ以外の国のGMの割合は正確にはわからないため、アメリカと同じ93%と仮定すると…
日本が輸入するGM大豆油滓 521,179トン
日本人1人当たりのGM大豆油滓年間消費量 4.0kg

日本人1人当たりのGM大豆+GM大豆油滓年間消費量 約22.8kg

★菜種
☆菜種の場合
アメリカにおける菜種の消費仕向け量  2012/13 (単位:百万ポンド)
Crush(油とミール=加工用)    2,809
Exports(輸出用)          382
(出典:Canola seed:  Acreage planted, harvested, yield, supply and disappearance, U.S., 1991/92-2013/14 USDA)
1ポンド=0.453 592 37kg
菜種の消費仕向け量 1,274,140,967kg
菜種は大部分の大豆と同様、まず搾油され、その油滓はやはり飼料となります。油として直接に、また肉を通じて間接的に摂取することになります。

アメリカ人1人当たりの菜種年間消費量(概算)=3.9kg
アメリカの菜種のGMの割合90%(2012年)
(出典:“Top7Genetically Modified Crops” http://www.huffingtonpost.com/margie-kelly/genetically-modified-food_b_2039455.html  USDAによると2005年で87%となっていますが、その後のデータがUSDAのデータベース内では見つからなかったため、こちらを参照。実際にはもっと高くなっている可能性もあります)
アメリカ人1人当たりのGM菜種消費量/年=約3.4kg

☆日本の場合
日本の輸入菜種の年間消費量  2,334,043トン
(出典:平成25年(1月~12月)月別油糧生産実績表 平成26年2月 農林水産省食料産業局食品製造卸売課 )
より、期首在庫172,030+年間処理量2,394,279-期末在庫232,266を計算=2,334,043トン

日本人1人当たりの輸入菜種消費量 18. 0kg
日本に輸入される菜種のGMの割合 89.3%(出典:「遺伝子組み換え作物・食品・食品添加物10の話」2015年2月26日 大豆畑トラスト全国交流集会にて天笠啓祐)
日本人1人当たりのGM菜種年間消費量 約16.0kg

★綿実
☆アメリカの場合
アメリカにおける綿実の消費仕向け量  2012/13 単位:千ショートトン
Crush(油とミール=加工用) 2,500
Exports                           191
(出典:Cottonseed:  Supply, disappearance, and price, U.S., 1980/81-2013/14 USDA)
綿実も、まず搾油され、その油滓はやはり飼料となります。油として直接に、また肉を通じて間接的に摂取することになります。

1 short tons=907.2kg
アメリカにおける綿実の食用・飼料用の年間消費仕向け量 2,268,000,000kg
アメリカ人1人当りの綿実消費量(食用・飼料用)7.1kg
アメリカにおける綿実のGMの割合(2012年)=94%(出典:Genetically engineered (GE) upland cotton varieties by State and United States, 2000-2014 USDA)
アメリカ人1人当たりのGM綿実消費量 6.7kg

☆日本の場合
日本の綿実の年間消費量  20,885トン
(出典:平成25年(1月~12月)月別油糧生産実績表 平成26年2月 農林水産省食料産業局食品製造卸売課)
より、期首在庫1278+年間処理量21104-期末在庫1497を計算=20,885トン

日本人1人当たりの綿実消費量/年=0.16kg
日本に輸入される綿実のGMの割合=98%
(出典:日本への綿実の主要輸入国と最大輸入国における栽培状況の推移(2012年)独立行政法人農業生物資源研究所)
日本人1人当たりのGM綿実消費量=0.16kg

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