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4月24日、安倍首相とオバマ米大統領の日米首脳会談が東京で行われたが、共同記者会見直後に日米共同声明を出せず、翌25日にオバマ米大統領離日間際に発表という異例の展開となった。このことでマスメディアは各社それぞれ異なった反応をし、TPP日米協議について、基本合意に至っただとか、大筋合意しているが伏せて発表しているなどという社もあった。

 

※参考:日米共同声明4月25日(外務省)⇒ http://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/page3_000756.html

 

そもそもTPPは秘密交渉であり、政府の情報開示は極端に少なく、したがってさまざまな憶測を呼び、TPPに関する報道はTPPに対する賛否や思惑によって非常に幅の広いものになっている。2010年秋の菅直人首相(当時)のTPP開国宣言以来、後になって誤報であることが判明したものも非常に多い。

 

5月2日読売新聞は、1面トップ・4面記事で『検証・TPP日米協議』と題して、農業分野「重要5項目」は4月24日の甘利TPP担当相とフロマンUSTR(米国通商代表)との間で基本合意に達していたとの記事を掲載した。また自社記事以外の主要全国紙の見解を表にし、自社の報道が正しいとする念のいれようであった。

 

この読売新聞や同じく基本合意したなどとするTBSの報道などに対して、政府のTPP対策本部の渋谷和久審議官は2日、これらの報道を否定する異例の説明会を開いている。以下、同審議官のブリーフィングの概要を記録した人のツィートをまとめたものがあるので、参考にしてもらいたい。

 

http://twishort.com/J3ofc

 

肝心要の日米協議の中身については、いったいどの報道が正しいのかというと、渋谷審議官の説明によると、日本農業新聞2日付の1面トップ+2面記事が「日米の協議の実態にかなり近い内容」(渋谷審議官)という。さらには、1日に開催された米上院財政委の公聴会でフロマンUSTRは、日本との協議で最終合意には至っていないことを明らかにしている。

 

⇒日本農業新聞5月2日『国境措置組み合わせ 重要品目を一括判断へ TPP日米協議』http://image.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=27477

 

また、米貿易専門誌「インサイドUSトレード」の5月2日付の記事によると、米政権担当官は、日米協議における前進とは、タリフライン毎のアプローチを用いて、センシティブな(重要な)産物のより多くの市場アクセスを創出するための可能な選択肢を特定したものだと特徴付けており、現在考慮されているパラメーターとは、関税を撤廃するのか引き下げるのか、関税を段階的に引き下げる期間の長さ、「市場アクセスを創出する他のメカニズム」を設定するかどうか、(設定するなら)どのように設定するかである。最後のメカニズムの設定とは、日本が完全な完全撤廃をせずに、追加的な市場アクセスを提供する関税割当制度のようなものであることがわかるとしている。

 

さらに記事は続いていて、日米の(市場アクセス)協議が他の多国間市場アクセス協議や、未解決のルール分野の協議を進めるにあたっての、突破口になるとしている。

 

米「インサイドUSトレード」誌の記事内容は、は渋谷審議官のブリーフィングや日本農業新聞の記事と概ね符合している。したがって国内メディアでは日本農業新聞の記事が真相に近いものと思われる。

 

しかしながら日本農業新聞の記事「こうした形で議論を進めれば、日本が「聖域なき関税撤廃」を強いられる最悪の事態は避けられる見込みだ。しかし一部の重要品目で関税の引き下げや低関税輸入枠の拡大といった措置の受け入れが必至となり、農産物の重要品目の聖域確保を求める国会決議との整合性が問われる」にあるように、まさしく衆参両院の農水委決議に反することは明白である。(続く)

 

※なお、今回の記事は最初の想定より長大になることがわかったため、取り急ぎここまででupする。(2014年5月3日19:00)

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